髪を傷ませない

 残念ながら、一度傷んだ髪は元には戻りません

髪は爪と同じように、死んだ細胞の集まりだと言われていて、

自己修復機能はありません。

なので、美しい髪のためには、ダメージを与えないということが最も大切です。

とはいえ、トリートメントなどを使用することによって、

髪を“補修”することはできます。

 人の髪は一般的に、内側から“メデュラ”、“コルテックス”、

キューティクル”の3層構造になっています。

メデュラは髪の芯の部分、コルテックスは髪の大部分を占める2層目、

髪の黒さの素であるメラニンを含む部分です。

そして傷んだ髪というのは、いちばん外側にある“キューティクル”に激しい損傷

起こっている可能性が高いです。

 キューティクルは、髪の表面にうろこ状に重なり合っているものです。

このキューティクルがピッタリと密着することによって、

髪の内側を守り、さらに表面につやとなめらかさを与えてくれます。

しかし、キューティクルが傷み、はがれたりめくれたりすると、

内側のコルテックスがあらわになり、水分やマトリックスというたんぱく質が流出します。

その結果、水分保持能力まで低下して、髪がどんどん傷んでしまいます。

 そして、髪が傷むと、次のような特徴があらわれます。

【指通りが悪くなる】・・・髪の表面をつるんと整えてくれる

キューティクルが傷んでくることで、髪がギシギシしたり、絡まりやすくなって

指通りが悪くなります。

【枝毛、切れ毛が増える】・・・髪の内部までダメージが及ぶことで、

髪の毛は縦に裂けてしまいます。これが枝毛です。

さらに髪の内部の空洞化が進むと、少しの衝撃で髪が切れてしまうこともあります。

【カラーが抜けやすくなる】・・・髪が染まるのには主に髪のコルテックスという

部分にある“メラニン色素”を脱色して、そこに色が入る仕組みが関係しています。

キューティクルが傷んでいると、キューティクルの隙間からヘアカラーの成分が

流れ出してしまい、色落ちが早くなってしまうのです。

これらの特徴は、日常的に誰にでも起こりうることです。

日々の過ごし方によって髪を傷ませないようにすることが重要です。

いろんなヘアケアの方法があるとは思います。

けれど、せっかくのケアが間違っていたら、、、。

その毎日行っているヘアケアの中に、

髪が傷んでしまう原因が隠れているかもしれません。

《ゴシゴシこすることによる摩擦》

シャンプーをするとき、髪をタオルで拭くとき、

ついゴシゴシとこすってしまいがちです。頭皮はしっかり拭いていいのですが、

髪のキューティクルは、とても繊細です。なので丁寧に扱う必要があります。

キューティクルは、髪が濡れているときに開いて、乾くと閉じる性質があります。

そのため、濡れて開いているキューティクルは特に傷つきやすく、

こすり合わせると、ぼろぼろとはがれてしまうのです。

《髪の自然乾燥》

髪が自然乾燥するのも傷みの原因です。

濡れて開いたキューティクルの隙間からは、水分や栄養分がどんどん流出します。

ということは髪を濡れたまま放置していると、だんだん髪の内部が乾燥し、

パサパサの傷んだ状態になってしまうのです。

さらにそのまま寝てしまうと、枕と濡れた髪に摩擦が起きて、

ダイレクトにキューティクルを傷つけることにもなります。

《ドライヤーの熱》

ドライヤーは髪を乾かす時に必要なものですが、

高温の熱をあてることなるので、効果的にうまく使うことが大切です。

ドライヤーを髪に近づけすぎたり、同じところに長時間熱風をあてたりすると、

傷みの原因になります。

《ヘアアイロンの熱》

髪のスタイリングに使うヘアアイロンには、

200℃を超える温度設定ができるものもあります。

高温の熱も、髪を傷める原因です。髪の主成分であるたんぱく質は熱に弱く、

乾いた髪で180℃、濡れた髪なら130℃程度で変性を起こすと言われています。

そのため、高すぎる温度には注意しましょう。

《紫外線》

紫外線は、肌だけでなく髪を傷める原因にもなります。

高温の熱と同じく、紫外線は髪のタンパク質を変性させてしまうからです。

さらにダメージが進むと、髪の内部を空洞化させてしまうこともあります。

《カラーやパーマ》

人の髪は弱酸性です。そのため酸性には強いのですが、

アルカリ性であるカラー剤やパーマ剤には弱いです。

ヘアカラーやパーマなどの化学処理を行うことで、キューティクルは損傷します。

1度の施術で、0.03㎜も髪が細くなってしまうともいわれています。

このように、髪が傷む原因は日常の中にたくさんあります。

はじめにも述べましたが、傷んだ髪は元には戻りません

けれど、傷んだ髪にできることもあります。

それが、

トリートメントで補修する

ことです。

トリートメントなどのヘアケアアイテムを使って、

髪を美しく見せることはできます。その効果をしっかり発揮させるために、

正しい使い方をすることが大切です。

いろんな良い方法があるとは思いますが、

ここでいくつかやり方とコツをご紹介します。

・リンスやコンディショナーより前につける

 トリートメントを使用するタイミングは、シャンプーの後、

リンスやコンディショナーの前です。リンスやコンディショナーは、

髪の表面に保護膜を形成して、なめらかに整える役割があります。

トリートメントには髪の内部を補修する役割があるので、

まずはトリートメントで髪の内部に栄養を補給し、その栄養を逃さないように

リンスやコンディショナーで髪の表面を保護するといいでしょう。

・根本にはつけない

 トリートメントを根元や頭皮にまでべったりつけると、

毛穴詰まりの原因となり、頭皮トラブルを引き起こすことがあります。

トリートメントは髪を整えるためのものなので、頭皮には必要ありません。

髪の中間から毛先の、傷みが気になりやすい部分を中心になじませましょう。

・丁寧になじませる

 髪の1本1本に成分がいきわたるように、トリートメントは丁寧になじませましょう。

手ぐしでもいいですが、目の粗めのコームなどを使って、

トリートメントを付けた髪を優しく梳かしていくと、より均等になじみやすくなります。

・ヘアマスクでスペシャルケアも

 週に1~2回のスペシャルケアとして、ヘアマスクをするのもおすすめです。

ヘアマスクはトリートメントと同じように髪の内部を補修できます。

数分間放置して洗い流すことを推奨している商品が多く、

じっくりと成分を浸透させていきます。いつもリンスやコンディショナーだけで

ケアをしている方は、ヘアマスクをプラスしてみてはいかがでしょうか。

・定期的にサロントリートメントを取り入れる

 市販のものでも簡単にヘアケアはできますが、

やっぱり美容室でのトリートメントの方が効果を感じやすいです。

定期的にサロントリートメントを取り入れることで、

より見た目や指通りの良い髪に整えることができます。

少しずつ、髪を傷ませない習慣を増やしていきたいですね。

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